女ひとり 定年退職後の日々の暮らし

いつか行ってみたかった場所、いつかやってみたかったこと。その「いつか」が「いま」となり、実行に移す日々を綴ったもの。

退職して思うこと(7)~ スコットランドに着いた

米国系企業の海外出張は、ユニークです。


現地の空港に着いたら、あとは自分でレンタカーを運転して、宿泊するホテルまで移動します。基本的に海外でも国内でも、出張は、ひとつの目的に1人です。


他部門の社員が、別の任務で同時に行くこともありますが、飛行機がたとえ同じになっても、各自でレンタカーを借りて、それぞれ予約したホテルに向かいます。そして翌日、出張先のオフィスに現地集合するのがあたりまえでした。


後に、日本の大企業の方々と、海外で一緒に仕事をする機会も多々ありましたが、複数人で出発し、飛行機の席はとなり同志、レンタカーは安全面から禁止されていますから、毎回タクシーを呼ぶか、運転手付きの車を借り切っていました。従って、現地でも行動するときは常に一緒でした。


もちろん、外国で車を運転するのは初めてでした。スマホやグーグルマップなどの神器はおろか、カーナビも一般に普及する数年前です。紙の地図と事前の下調べが全てでした。


このため、飛行機の時刻は必ず自分で確認して、明るいうちに現地に到着する便を指定しました。途中の経由地では、絶対に乗り遅れないように、乗継時間に余裕のあるフライトを押さえました。


初めて降りたスコットランドの地は、イメージどおりの素敵なところでした。空港を離れると、うねうねと広がる草原上に、ポツンポツンと煙突のある家が存在して、その間に無数の羊の群れが見えます。まるで絵本のようなラブリーな風景です。



自社の英国工場は、空港から車で30分ほど郊外に向かった、田舎町にありました。小さな通り沿いに、パブやレストラン、雑貨店などが並んでいて、散策するのが楽しそうです。B&B (Bed & Breakfast)と呼ばれるプチホテルもたくさんありました。こちらに出張経験のある先輩に勧められて、その中の一軒に予約を入れておきました。ロッホ・ロモンドという湖に面した、英国伝統的な雰囲気の建物で、すっかり気に入りました。


日本からここまで、長い旅でしたが、なんとか無事に到着しました。
さあ、明日から仕事です。


その後何度も、同様のパターンで海外に出張することになりました。おかげで今では、すっかり、海外を好きに旅行できるような度胸がつきました。会社を離れても大きな財産です。