女ひとり 定年退職後の日々の暮らし

いつか行ってみたかった場所、いつかやってみたかったこと。その「いつか」が「いま」となり、実行に移す日々を綴ったもの。

3月の読書は「生涯弁護人」弘中惇一郎

こういう社会派の本が好きで、いつも何かを読んでいます。
図書館に蔵書がなくても、リクエストを出しておくと、1カ月ぐらいで入れてくれますので、大いに利用しています。


今月は、ゴーン被告の弁護人だった弘中惇一郎弁護士の著書です。かなり分厚くて合計2巻ありますが、興味深い内容で、一気に読み終えました。


今更ながらに知ることが多く、その時代に自分がいかにのほほんと過ごしていたのかを思い知らされます。新聞はずっと購読していたので、どれも出来事としては知ってはいましたが、会社員時代は仕事で忙しく、見出し程度で詳しくは知りません。マスコミのイメージをそのまま信じていたものもあります。起訴されて被告になった人達も、一番近しい位置にいる弁護人からみると、実状は報道されているものとは、かなり違っていることに改めて驚かされます。

弘中弁護士は、法律の分野で判例として有名な「マククリーン事件」を担当していたんですね。優秀な弁護士として有名な方なので、派手で目立つ事件ばかり手掛けてきたのかと思っていましたが、常に誠実に案件を請負って来られたのがわかります。何より、信頼できない人の弁護は引き受けられない、ということでしょう。


フェイクニュースが入り混じる情報の中から、何が真実なのかを正しく判断できるよう、日々、気を付けていますが、本当に難しい。この本を読んで、また少し見えるようになった気がします。


次に、いま読んでいるのが、こちらの本です。やはりドキュメント物が好きで、小説はごくたまに手に取る程度です。80年代の半ば、ちょうど大学を卒業して会社に入った頃からバブルが始まりました。住宅の価格が跳ね上がって、サラリーマンには手が届かないものとなり、まわりの先輩たちは、カッコいい新車を手に入れることに関心を移していたことを思い出します。

出版社側は、本が売れない世の中だと嘆いていますが、「生涯弁護人」も、ハードカバーで1冊2,500円(税別)もします。気軽に買える値段ではありませんね。読みたい本は、もっぱら、図書館で借りることにしています。


海外のように、ソフトカバーのペーパーバックにするとか、書店が自由に価格を変動できる市場にするなど、多くの人が手に取りやすいものにすることが必要ではないでしょうか。