女ひとり 定年退職後の日々の暮らし

いつか行ってみたかった場所、いつかやってみたかったこと。その「いつか」が「いま」となり、実行に移す日々を綴ったもの。

事務所を開業するまで(倹約編)

定年退職してから正式に事務所を開くまで、2年ほどの期間がありました。最初の数カ月間は、失業保険をもらいました。毎月の企業年金もありましたし、年代がちょうど65歳支給開始の過渡期にあたるため、2年目から特別支給の厚生年金も入ったので、生活はぎりぎり賄っていけました。しかしこれだけでは、まったく余裕がありません。自宅を片付けながら不用品をメルカリで販売したり、生活面で徹底して支出を切り詰めて過ごしました。

まず、新聞を止めました。が、これはやはり必要になり、2カ月ほどで復活させました。ネットニュースは情報が速くて便利ですが、紙面だと全体を見渡して把握できますし、テレビ欄は便利だし、折り込みチラシは地域の情報になるからです。


WOWOWなど、毎月支払っていた出費を見直し、基本的に契約解除しました。携帯も、大手 au からUQに乗り換えました。毎月1万円近くかかっていた料金が3千円以下になりました.。そのまま現在も仕事用の通信手段に使っていますが、主な仕事はPC上で行うので、大手キャリアでなくても特に支障はありません。


雑誌や書籍は新しいものを購入せず、図書館で購入リクエストをしたり、ネットオークションで中古品を探しました。こうして 100円単位で生活費を見直しました。また、昼間の料理番組を見るようになり、少しずつ料理にも興味がわいてきました。以前は、自宅にいるときも気晴らしに近所の定食屋によく食べにいったものですが、外食を減らしました。

会社員の頃は、もちろん無駄遣いは避けていましたが、少額単位の出費には鈍感だったと思います。別ルートの方が交通費が数十円安くなるとか、あっちのスーパーの方が若干安いとかは、あまり考えずに利用していました。倹約をいつも念頭にしていると、ストレスになる気がしたからです。きっと気持ちに余裕がなかったのでしょう。


メルカリに出すために部屋を整理していると、それまで自分があまりに安易に物を購入していたことに気が付きます。観光地で購入した絵葉書や記念品類など、使わずにそのままになっているものが多くありました。結局後になると、記念というより、これらをどうしよう?という気持ちになるだけです。現在もあちこちに出掛けますが、さすがに「記念だから。。」といって何かを買うことはなくなりました。

こうして、翌月になれば必ず定収入が入るという長年の会社員時代の価値観が、すっかりリセットされました。


事務所が徐々に軌道に乗りつつある昨今は、音楽ライブ見たさにWOWOWに再加入したり、仕事のついでにカフェに立ち寄ったりと、当時より若干財布の紐が緩んでいますが、一時的にしろ、徹底して生活費を見直したり、物の値段を細かくチェックする期間があったことは、とても良い機会でした。生活がどこまでスリム化できるかが分かり、物を購入するときの判断がしやすくになった気がします。