女ひとり 定年退職後の日々の暮らし

いつか行ってみたかった場所、いつかやってみたかったこと。その「いつか」が「いま」となり、実行に移す日々を綴ったもの。

退職して思うこと(15)~責任取らない上司たち

2008年のリーマンショック以来、社内情勢はますます厳しくなりました。外資系ですから、社員の人員削減はまっ先に行われます。全社的に数百人が退職しました。


直後に、200人の部下を持つ管理職の人が辞めることになりました。彼は、部下を集めた最後の挨拶の中で「私は辞めるときは、周りから言われるのではなく、自分で決断しようと思っていたので、そうしました」という趣旨の話をされました。これが多くの部下を、意に沿わない形で辞めさせた人の言葉でしょうか。


次いで、そのまた上司である事業部長が、業績が上がらないため交代することになりました。すると、なんと事業部長を外された方は、すぐ下の地位の管理職ポストに納まったのです。そこは彼がかつて事業部のトップになる前に務めていた職位です。要するに出戻り人事です。唯一無二の存在と言われて、引き留められたのかもしれません。裏の事情は知りませんが、事業所全体を率いてきた責任というものを忘れてもらっては困ります!


社員数万人を抱える大企業です。空いたポストは下から引き上げるのが定石です。上の人が自分の行き場を探して下に降りてきて、部下の昇進の機会を奪うことなどあってはなりません。サバイバルゲームといっても、最低限のルールとモラルは必要でしょう。

同僚の間でも、そんな会社に見切りをつけて、「自分が一番高く売り込めるときに、外部のチャンスをつかむべきだ」と主張する人もいました。実際、十分な実績を積んでいた仲間たちは、次々と他のIT企業に役員待遇で移っていきました。


ただし、うまくいく人ばかりではありません。長年培った企業文化というものは、目に見えないうちに沁み込んでいるものです。結局、行った先の風土に馴染めなかったのでしょう。その後も転職を繰り返す事例が多くあります。


私は、以前に国内大手企業の社員たちと共に仕事をしたプロジェクト経験から、こんな状況でも、このまま今の会社でやっていくのが、自分には最良の道だと信じていました。

うまくいかない時も、「人生何が幸いするかわらない」という思いがベースにあるので、必要以上に落ち込んだり、後を引いて精神的にダメージを負ったりということはありません。


そもそも、やりがいは会社の外で、あるいは退職してから始めれば良いのです!今のご時世、時間は十分にあります。そのためにも、いましばらくこのまま頑張ろう。定年まで、あと10年ちょっとです。